短鎖脂肪酸の凄い効果と短鎖脂肪酸を増やすおすすめの食事法
短鎖脂肪酸は、善玉菌の発酵作用で作られます!
デンプンやオリゴ糖などの
質の良い難消化性の炭水化物や食物繊維を摂取すると、
善玉菌がそれらの有機物を分解する「発酵」が起こります。
その過程で短鎖脂肪酸が産生されます。
この短鎖脂肪酸は、
飽和脂肪酸(長鎖脂肪酸、中鎖脂肪酸、短鎖脂肪酸がある。)の一種です。
短鎖脂肪酸には、
・炭素数が最も少ないため最も分解されやすい
・すぐにエネルギー源になる
・体脂肪として蓄積されない
という特徴があります。
食物繊維を摂取すると、
・水溶性の食物繊維は上行結腸付近
・不溶性の食物繊維はS状結腸付近
で、短鎖脂肪酸が産生されます。
そして短鎖脂肪酸には、
酢酸・プロピオン酸・酪酸などがあります。
短鎖脂肪酸は、以下のような働きがあります。
・脂肪の蓄積を減らし、全身の代謝を活発にして肥満を防ぐ
・糖尿病を直接的に改善するホルモン「インクレチン」を増やす
・アレルギー反応を抑えるTレグを増やす
・脳内伝達物質であるセロトニンの分泌を促す
・腸のバリア機能を高めることで、食中毒、炎症、食物アレルギー、動脈硬化、がんなどの病気を防ぐ
・短鎖脂肪酸ができる過程で腸内細菌から水素が発生し、活性酸素を中和する
・腸管の活動エネルギー源となる藤田紘一郎『腸内細菌が家出する日』から引用
短鎖脂肪酸とは、私たちが食べた食物繊維を腸内細菌が分解するときにつくる代謝産物だ。腸内細菌がつくる主要な脂肪酸は三つ。酢酸、プロピオン酸、酪酸であり、排せつされるか結腸に吸収され、体の細胞のエネルギー源として使われる。酪酸は結腸の内側をおおう細胞にとってもっとも重要な燃料であり、発がん抑制効果、抗炎症効果もある。
デイヴィッド・パールマター 『「腸の力」であなたは変わる』 白澤卓二 訳から引用
有用菌によって産生される短鎖脂肪酸の中でも、特に酪酸には、抗うつ作用や認知機能改善作用があるようで、盛んに研究されているようです。こういった基礎研究は、消化管環境を改善し、有用菌を増加させるライフスタイルが、ストレスに強い、うつになりにくい、認知機能を維持する機能につながる可能性を示すものであり、大変興味深い点です。医学博士の内藤裕二氏から引用